明後日(2013年9月13日)、「Web制作者のためのSassの教科書 これからのWebデザインの現場で必須のCSSメタ言語」が発売します。
書籍には、初版発行が2013年9月11日になってるので、もしかすると書店によっては置いてあるかも?
今回はちょっと、書籍が形になるまでの事でも書こうかなと。
本の内容に関しては、一緒に書いたSOUさんの「2013年9月13日発売の「Web制作者のためのSassの教科書」を執筆させていただきました。 | Sou-Lablog」でも紹介されてます。
また、サポートサイトもまだ一部調整しないといけない部分も有りますが、一応正式に公開と言うことで。
サポートサイトは、書籍を購入した人はもちろんですが、試し読み用のPDFや、書籍内で掲載されているソースコードの一覧などが有りますので、気になってる方はチェックしてみて下さい。
では、そろそろ本題に。
ボクは執筆に関しては、インプレスジャパンさんが殆どで、かなり人数が多い共著でMdNさんの書籍を何冊かお手伝いしてます。他の出版社さんではまた違うと思いますが、こんな感じで執筆してました的な感じのお話です。
ネタ出し
企画やネタのベースは多くの場合、編集の方から「こんな感じの書籍をいつ頃までに出したいんだけど、書けません?」的な連絡が有るので、その企画、スケジュールで問題なければ、打ち合わせして詳細を話し合っていく感じです。
今回の場合は、「Sassの書籍を出してみたい」くらいざっくりな所から話が進んでるので、ターゲットや章構成、ネタ出しはほぼ全て自分たちで考えて書いています。
MdNさんだと、章構成からネタまで結構カッチリ決まってて、それに合わせて書くことが多いような?
最初は、Google スプレッドシートを使って非常にざっくりなネタ出しをして、編集さんに確認してもらって詰めていく感じでした。
せっかくなので、ネタ出しのスプレッドシートを公開。
非常にざっくりなのがよく分かるかと!
これをもとにして、Google ドキュメントの方で細かい章構成や節を考えてから実際に執筆に取り掛かってます。
章構成が決まるまで
最終的な章構成は、概要から始まって機能の紹介、実践的な使い方、より使いこなすための内容で落ち着いたので、よくある書籍の構成と似たり寄ったりな感じになりました。
やはり、この章構成がベストなのかなーと。
実際には下記のような感じになってます。
- 第1章 Sassのキホン
- 第2章 Sassの利用環境を整えよう
- 第3章 これだけはマスターしたいSassの基本機能
- 第4章 高度な機能を覚えてSassを使いこなそう
- 第5章 現場で使える実践Sassコーディング
- 第6章 Sassをさらに便利にするCompass
- 第7章 もっとSassを使いこなして便利にしよう
- 第8章 Sass全機能リファレンス
最終的にこんな感じで落ち着いた訳ですが、ここに辿り着くまでにかなり悩んで、右往左往しながら辿り着きました。
特に悩んでいたのは、Compassの扱いで、最初は第5章の一つの節として入れる予定だったんですが、需要などを考えて最終的に章になっています。
ちなみに、ボクはCompassに関してはまともに使ってないので、6章は全てSOUさんが担当しています。
他に、3章と4章をひとまとめにするかどうするかも結構悩みました。基本機能と高度な機能って明確な区切りが有るわけじゃないので、どうしようかなぁ...と。
ページのカット作業
そして、ある程度書き終わってから、想定していたページ数よりも大幅に多くなってしまい、70ページ以上カットすると言う作業が待っていたのが一番大変だった部分かもです。
大幅にカットしても、352ページと結構なページ数になったんですが。
たまに「Sassで本一冊分のネタが有るの?」とか言われるんですが、実際そんな印象もあって、盛り込めるだけ盛り込んでいたら、420ページくらいになってました(笑
特に気合いが入ってたのが、Compassで、100ページ近くのボリュームになってしまい、Compassの章が一番カットされてます。(SOUさん頑張って書いてくれたのに・・・><)
それと、最後までSass全機能リファレンスはカットするかどうか悩んでいたんですけど、他の章も出来るだけカットして何とか収まった感じです。
カット作業自体は泣く泣くやってますが、その分内容が精査されて、書籍としては密度が濃くなったのかなと思います。
ひたすら校正して入稿
原稿をひと通り渡してから、PDFで校正の確認が有ります。
この際に、実際の書籍のレイアウトを見ながら、注釈を入れて修正してもらいます。そして、また戻ってきたのをチェックして...の繰り返しです。
この校正がサクッと終わると良いのですが、今回はページカットして調整するって作業にかなり時間が掛かってしまい、初校から始まって最終稿に至るまでには、6校までいきました。
もう途中から読むの飽きた・・・(;´Д`) ってなりますね。
入稿直前がちょうどお盆真っ只中で、必死にチェックしてました。でも、ボクたちのチェックよりも、修正箇所がすごーく多かったので、DTP作業をして頂いている方々の方がずっと大変だったと思います。ホント、対応して頂いてありがとうございます。
そんなこんなで、入稿直前まで修正依頼をしていたので、最後はすごいバタバタな感じでしたが無事に入稿できました。
お金の話とか
ちょっと話題を変えて、敢えてお金の話もしようかなと。
契約する出版社さんに寄って全然違うと思いますが、Web系の書籍を書いていると、印税と、買い取りってパターンが有ります。
買い取りの場合は、ページ辺りいくら~みたいに決まってて、単純に書いたページ数に応じて報酬が得られるって感じです。なので、書籍が何冊売れようが売れまいが収入って部分では関係ないんですよね。著者が非常に多い場合なんかは買い取りが多いかと。
割に合うか?って言うと、正直お小遣い稼ぎが良い所で、時給換算したら大変なことになりそうです。それでも、書籍として世に出るってのはすごい嬉しいし光栄なことなので、お金だけじゃ無い部分が大きいかなと。
印税の場合は、何%が著者に入るかを最初に決めます。出版社や著者の影響力や実績とかでだいぶ変わりますが、6~10%程度が多いみたい。
また、原稿料的な感じで、初版で刷った部数の6割くらいの印税が最初にもらえます。これは売れた売れないに関わらず。(出版社に寄ってはこういうの無いのかな?)
具体的な金額は伏せますが、共著で書くと、1ヶ月分のお給料(謎)よりちょっと良いくらいかな。
その後は、数ヶ月毎に売れた分だけもらえるって感じですね。
2~3万とか売れたら素敵な金額になると思いますが、技術書だと1万冊売れれば良いって言われる世界なので、数万冊売れてるってホントすごいと思います。
Sassは勢いある感じがしても、絶対数は相当少ないと思うので、1万なんて夢のまた夢って感じがしますが、少しでも売れるといいなぁ。
おわりに
なんかビミョーな内容になってしまいましたが、こんな感じで書籍が出来上がりました。
ガッツリ執筆は結構久々でしたが、何とか想定したスケジュール通りに進められて良かったです。
今後、Sassとかメタ言語を扱った書籍は出ると思いますが、『これからSassを始めるならまずはコレ!』って言われる書籍になれれば嬉しい限りです。
最後に、本書の執筆をするにあたって協力して頂いた皆さんに心より感謝いたします。
そして、一緒に執筆してくれたSOUさんには、ホントに感謝しています。
ボクはCompassとかフレームワークに関しては殆ど知識がなかったので、SOUさんの協力があったから非常に密度の濃い書籍になったと思います。インストール部分も担当してくれてますが、OS別に細かく調べてもらったり、OSでもバージョン毎に発生するエラーなども調べたりと、執筆している以外の時間がかなり掛かったと思います。
ホントありがとうございます&お疲れ様でした!